設立目的

 

「文化」と「芸術」は、時にロジックでは理解しがたいことがあります。

なぜ人類が多くの労力をそれらに費やすのかという合理的な説明もほとんどできません。

文化と芸術が無くても人間は生きていけると考えている人も多いでしょう。では、なぜ私たちは余計な物とされる物を発展させ続けてきたのでしょうか。

しかも、戦乱の世や滅亡の危機に瀕していても文化や芸術の創造の足跡を残すことを忘れなかったというのは、何ともおかしな話です。

それは、つまり文化と芸術によって人間の感情が表現できるからであり、人間と動物における最大の違いだからです。

もし文化も芸術もなかったら、私たちの人生から楽しみがなくなり、私たちは生きる意義を失ってしまうでしょう。

もし文化も芸術もなかったら、私たちの生活は無味無臭となり、ただ毎日息をするだけの生ける屍となり果ててしまうでしょう…

文化芸術は、私たち人間を「人間」たらしめている大切な要素であると言えるのです。

もしかすると、文化芸術は、私たちの物質的な生活には直接影響しないかもしれません。しかし、私たちの魂の成長に深く影響していきます。

また、様々な文化背景も、人々の考え方を変えます。そうして、私達の人間として生きる姿勢に影響することで、間接的に生活環境を変えるのです。

 

また、情報が素早く飛び交う現代では、私たちの生活圏は、もはや自分の成長する地域や国にとどまらなくなりました。

外国文化との接触または外国の人々との交流を行うことは、避けられない時代の流れなのです。

このことから、国際文化芸術協会の使命は、音楽や美術、各国の伝統文化の交流をもって、各国間の認識を深めて、国際マナーを学び、言語能力を育成し、国際的な視野を広げてもらうことであると考えています。

交流訪問活動での多元的な学習を通じて、異なる文化交流の中で相手への尊重を学びます。様々な成長背景をもった同世代の友人との交流や学習で自己認識と成長を促し、改めて自分の内側の文化を見直すことで、文化伝承の目的を達成することができます。

さらに、若い生徒達が情熱的に世界との親睦を深め、自分の国の情熱や活力あふれる文化をワールドワイドに展開することこそ、国民外交(民間における国家間の外交)の土台となります。

国際文化芸術協会もまた、この教育目的を持ちつつ、国際的文化芸術レクチャー活動によって、青少年の対話能力、表現能力、行動力、判断力、積極性、協調性、問題解決能力、学習能力及び記憶力等々を育成していく予定です。

この他、当協会では、公益奉仕の精神で文化芸術教育を辺境地域にも普及させ、関連資源を社会的弱者とされる方々に提供したり、様々な活動で社会にフィードバックしたりすることで、伝統と文化が融合する生活芸術を積極的に発展させるとともに、各国の伝統文化の発展を促し、現地の伝統文化芸術を世界に広げていけることを期待しています。

そうして、いつの日か、国の枠を越えて文化要素と芸術意義にあふれた、仲睦まじく共に栄える新しい世界を作り上げていきたいと思います。

2018年10月
国際文化芸術協会
理事長 詹采軒